フリーランスを考えている方へ
私はITシステムエンジニアのフリーランスとなって約5年目を迎えています。
40歳を超えてから正社員という身分を捨ててフリーランスに転身することは最初はかなり悩みました。
色んな方々に相談し、決断に至るまで2,3年掛かったと思います。
今ではフリーランスは私の性に合ってますし、充実した毎日を過ごすことが出来ています。
そんな私や同じくフリーランスの友人などの話を交えながら、
そのメリットやデメリットなどを記していこうと思います。
現在フリーランスになるか悩んでいる方へのアドバイスとなれば幸いです。
●フリーランスに向いている人
まず単純にフリーランスに向いている人を挙げておこうと思います。
基本的には人の意見に流されず、自分を持っている人はフリーランスに向いてると思います。
仕事の方針は自分で判断出来ないとか細かい事考えたくないって人は、
普通に正社員で働いてた方が楽だと思います。
フリーランスは所謂「個人事業主」ということになりますので、
収入や納税、様々な届け出、仕事の選定など自分で決めて処理しなければいけないことが沢山あります。
これまでのように会社が自動でやってくれてたようなことを自分でやる必要があります。
経理関連は会計事務所などに依頼して任せたりすることもできますが、
純粋に仕事だけに集中してればいいということにはならなくなるのは間違いないでしょう。
そういったことが億劫だと言う人にはフリーランスは向いてないかもしれません。
●フリーランスになるための条件
フリーランス=個人事業主として働くためには、税務署に開業届を出す必要があります。
基本的には開業届と一緒に青色申告承認申請なども行います。
他にも社会保険から国民健康保険への切り替えや厚生年金から国民年金への切り替えなどの手続きも必要です。
これらは条件というよりは手続きといった類のものでしょうか。
仕事をする上での資格という意味では、業種によって千差万別でしょう。
ITプログラマーやエンジニアは業務実績を重視されることはあっても資格の有無だけで
仕事が取れないということはほとんどありませんが、
業種によっては免許がないと携われないものもあるでしょう。
フリーランスに転身する前に継続して仕事することが出来る状態であることが大事です。
●フリーランスやるなら業務経験は必要か
個人的には新卒からフリーランスはお勧めしません。
社会人経験や業務経験を数年詰んでからの方が圧倒的に良いです。
単純に社会のルールや業務の経験値を積むこともそうですが、
正社員なら新人で出来ないことや分からないことがあれば会社がサポートしてくれますし、
フリーランスの案件では○○経験○年といった条件が付くものも珍しくありません。
最低でも3年、出来れば5年以上は正社員として働いた経験があった方がいいです。
大卒で就職した場合ならフリーランスを目指すのは20代後半から30代くらいがいいと思います。
●現在IT業界は売り手市場
2024年度現在、IT業界は人手不足が極まっています。
仕事は腐る程あるのに担い手がいない。そのため各社人材確保に必死です。
派遣も転職も今は技術者の方が会社や仕事を選びたい放題という状況です。
(私が転職した15年くらい前は完全に買い手仕業で、給与とかも希望からかなり引き下げられたもんですけどね。)
そのため単価は上がる一方で、10年くらい前と比べても肌感覚で単価は1.5倍~2倍近くになってます。
とにかく人材がいないことやコロナ禍もあったことからここ数年はフルリモートの案件も増えています。
つまり東京などの大都市の案件を地方の技術者が受け持っていることも当たり前の世の中になっています。
このフルリモート案件が増えたことで、フリーランスを対象にした斡旋業も活発となっていて、
エージェントを利用して仕事を受けることもやりやすくなりました。
ひと昔前なら東京や大阪の仕事は短期or長期出張扱いの派遣としていくことが多かったですが、
今ならエージェント使って仕事の依頼を受けて自宅からフルリモートで仕事することが可能になりました。
私の友人なんかは田舎の広い家を格安で買って悠々自適に過ごしながら
仕事はフルリモートで東京の案件をこなしたりしています。
今のこのITバブルがいつまで続くかは分かりませんが、
少なくとも数年間は仕事が無くなることはないでしょう。
もし今転職やフリーランスになるか迷ってる方がいるならチャンスが多い時期だと思います。
●フリーランスの収入と支出について
フリーランスの一番のメリットは単純に収入が増えることです。
派遣なら単価の大半を会社が持っていっていたのが、全部自分に入るようになるので、
当然収入としては増加します。
ケースにもよりますが最低でも倍くらいにはなるんじゃないでしょうか。
ただ反面、税金なども増加します。
正社員の時は、各種税金は会社と折半となっていて税金の半分が給料から天引きされていましたが、
フリーランスは全額自分で納税しないといけません。
また社会保険や厚生年金は掛け金自体が少なかったですが、国民健康保険や国民年金は
それらと比較すると高額になってます。
私の場合だと健康保険が月3.5万~5万近くになったりします。
年間で考えると年収は倍になりますが、経費次第ではその内4割が税金として取られることになりかねません。
そのため仕事してても常に節税のことを考えるようになったりしてしまいますw
またフリーランスにはボーナスがありません。
月額の収入は増えても夏と冬のボーナス分は入ってこないので、
請求する単価などはこれらを考慮しないと月の手取りは増えても年収は下がってることもあり得ます。
マンションなどのローンをボーナス払いにしてるなどしていた場合も注意が必要です。
●フリーランスには有給休暇はない
フリーランスの休暇=無給休暇であることは結構見落としがちなのではないでしょうか。
契約が月額固定とか請負とかならあまり気にならないかもしれませんが、
時間単価や月単位の労働時間制限などがある場合は、仕事を休むと単純に収入が減ります。
正社員は休んでも給料は減ることがないのでこれは大きな違いだと言えるでしょう。
例えば病気で長期休養を余儀なくされた場合、医療費は掛かるのにその間無収入という二重苦を味わうことになります。
いかに有給休暇が有難いものだったかを実感することでしょう。
●フリーランスは所詮傭兵
正社員が会社における聖騎士ならフリーランスは傭兵です。
会社への忠義を持って仕える騎士とは違って傭兵はお金次第で雇われています。
正社員は仕事が無くても仕事が出来なくても簡単にクビにはなりませんが、
フリーランスは簡単に契約を切られる存在です。
当然お互いそれでいいと思っての契約なので、傭兵としては次の戦場を探しにいくだけです。
ただそういった意味では愛社精神や人間関係は希薄になっていく感じがします。
職場でも正社員かそうでないかで一線引かれることは多々ありますし、
付き合い方もそれに応じて変化します。
またフルリモートとかだと人と出会う機会も極端に減っていくことになります。
私も仕事関係で出来た友人なんかは正社員時代の人ばかりですね。
まぁ裏を返せば会社に対しての責任がなく、会社の利益や売上が上がらなかった責任を問われることもないため、
そこら辺は気楽に仕事出来ているとも言えます。
●フリーランスはクレカの審査が通らない?
よくフリーランスだと収入が安定しないという理由からクレジットカードの審査や
ローンの審査が通らないという話を聞きます。
私自身は人生でローンを組む買い物をしたことがないのでそちらは本当かどうか分かりませんが、
クレジットカードについては普通にフリーランスになってから作ることが出来ました。
クレカに関しては収入というよりはこれまでブラック判定されるような実績がないことの方が重要だと思います。
例えば過去にカード決済出来なかった、公共料金を滞納していたことがある、金融機関などに借金があるなど
問題となりそうな情報から審査が降りないといった状況になるのだと思います。
ですので普通にサラリーマンしてて真っ当な生活を送っていた人なら
フリーランスになってからでもクレジットカードを作ることは難しくありません。
●法人化すべきなの?
フリーランスを続けていくと課題になってくるのは会社を作って法人化すべきかどうかです。
私自身は法人化していませんが、友人は法人化してフリーランスをしています。
法人化するメリットとしては、個人で支払う所得税よりも会社が支払う法人税の方が安く済むこと、
経費を会社持ちにして自分は役員報酬とすることで個人の経費を抑えれることなどが挙げられます。
ただ会計などが複雑化するので税理士との契約は必須になるでしょう。
また私が法人化を検討した際、個人でやるのとどちらが利益になるのか損益分岐点を調べたことがあります。
ざっくり言うと最低でも年間の売り上げが1000万以上ないと法人化するメリットは少ないと思います。
1000万未満なら個人でも節税すれば法人化するよりも手元に残るお金が多くなると思います。
なので私の売り上げは1000万いくことがないのでずっと個人で続けています。
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